左馬(ひだりうま)とは?意味や由来、縁起をわかりやすく解説。午年におすすめの左馬アイテムもご紹介

「左馬(ひだりうま)」は、商売繁盛や金運アップを願うときによく目にする縁起の文字です。
一見すると「馬」の字を左右反転させただけに見えますが、その形や言葉の響きにさまざまな意味が託され、縁起物として受け継がれてきました。
この記事では、左馬に込められている意味から縁起がいいとされる理由、日常での活用方法まで、わかりやすく解説します。
また来年、2026年の干支は「午年(うまどし)」です。
身に着けると強力に運気を後押ししてくれる、「左馬」のアイテムもご紹介。
運気アップのヒントとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。
左馬(ひだりうま)とは?意味や由来を解説

「左馬(ひだりうま)」は、一見すると「馬」の字を左右反転させた単なる文字遊びのようですが、古くから縁起物としてさまざまな意味が込められてきました。
「馬(うま)」を左から読むと「まう=(舞う)」に通じることから「福を舞い込む」とされています。
また、さらに馬の文字の下部分の形が巾着に似ていることから「財を招き、守る」と解釈されました。
こうしたことから、江戸時代になると、左馬は商人や職人の間で広まり、商売繁盛や金運を願う守り札として定着していったのです。
その広がりの中でとくに有名になったのが、山形県天童市の将棋駒づくりとの結びつきです。
生活に困窮した天童藩士たちが副業として駒作りを始めた際、縁起の良い文字として左馬を彫り込み、「福を呼ぶ駒」として人気を集めました。
やがて贈答品としても重宝され、地域の名産へと発展していきました。
現在でも天童市の左馬駒は伝統工芸品として高く評価され、家の新築祝いや商売の門出を飾る贈り物として、観光客のお土産としても親しまれています。
左馬の縁起とその理由

左馬(ひだりうま)にはさまざまな解釈があり、金運や商売繁盛、幸運を招く縁起物として親しまれてきました。
代表的な縁起の意味を順に見ていきましょう。
「馬(うま)」と「舞う(まう)」にかけて、福を呼び込む
左馬の「うま」という読みは「舞う(まう)」に通じるとされます。舞は神様を喜ばせ、福を招く神聖な行為と考えられてきました。
そこから「左馬=福を舞い込む存在」と結びつけられ、商売だけでなく、家庭や人生の節目でも「舞い込む福」を願って、今でも大切にされています。
財布の形に見えることから、金運を呼ぶ縁起物
反転させた馬の字は、昔の人には巾着袋の形に見えたといわれます。
巾着はお金をしまう大切な袋で、「財布の形に似ている=お金が入る」「財が集まる」と結びつけられました。
このことから、左馬は金運を呼び込む縁起物として商人や職人に広まりました。
「馬」の字の下部分を巾着に見立て、口が締まってお金が散逸しないことから、富の象徴とされる
一方で、字の下部分を巾着の口に重ね、「入ったお金が外に散らない」と解釈する説もあります。
こちらは金運を呼び込むというより「財を守る」意味合いが強く、呼び込む説と並んで語られてきました。
このように「財を呼ぶ」だけでなく「散らさず守る」という意味が重なり、左馬は商人にとって欠かせない縁起物として親しまれてきたと考えられています。
「馬が人を引く=お客さんを呼ぶ」商売繁盛の象徴
左馬の商売繁盛の意味にはいくつかの説がありますが、その代表的なものが「馬の働き」に由来する解釈です。
江戸時代、馬は人や荷物を運ぶ大切な働き手でした。
その姿が「人を引く」ことにつながり、やがて「お客を呼ぶ=商売繁盛」の象徴となり、 商家では店先や帳場に左馬を掲げ、店に人が集まることを願いました。
左馬は、商売を支える守り札のような存在として広まり、今も「お客を呼び込む縁起物」として大切にされています。
左から乗っても転ばないことから安全祈願のお守りに
左馬には「途中で倒れない」「無事に進む」という願いを託す意味合いもあります。
「馬は左から乗ると転びにくい」とする言い伝えに由来する説があり、道中安全や無事成就を願うお守りとして用いられてきた、といわれています。
ただし、日本では武士が刀を差していたため馬には右から乗るのが一般的でした。
のちに西洋式の乗馬が普及して左乗りが一般的となり、この説がさらに定着したと考えられます。
「うまくいく」の語呂合わせで幸運を呼ぶ
「馬」という文字から連想される「うまくいく」という言葉も、左馬が縁起がいいとされる理由のひとつです。
商売、芸事、学業、家庭などあらゆる場面で「何事もうまくいきますように」という願いを込めて使われ、幅広い層に受け入れられました。
神社や贈り物など暮らしに根づく左馬の縁起物

左馬は私たちの現在の生活にも根ざしています。
神社でのお守りや絵馬、人生の節目での贈り物、さらには賭け事のゲン担ぎにも活用され、暮らしの中で縁起物として親しまれています。
神社の絵馬やお守りに込められる願い
左馬は商売繁盛や金運の縁起物として、神社でも用いられることがあります。
たとえば以下の神社では絵馬や御朱印に左馬の文字が取り入れられており、商売繁盛や家業の継続を願う参拝者に人気があります。
西野神社(北海道札幌市)
「左馬肌守(ひだりうまはだまもり)」というお守りを授与しており、千客万来・商売繁盛・開運出世のご利益があるとされています。
賀茂神社天満宮(群馬県太田市)
「左馬」の字をあしらった絵馬があり、「家が栄え、商売繁盛しますように」との願いが込められています。
藤森神社(京都府京都市伏見区)早馬神社(宮城県気仙沼市)など一部神社
御朱印に「左馬」の字を押印しており、縁起の良い証として人気です。
左馬を祀る左馬神社について
神奈川県大和市には「左馬神社(さばじんじゃ)」と呼ばれる神社が七つあり、これらを順に巡って祈願する「七サバ参り」という風習が伝わっています。
文字は「左馬」と書きますが、「ひだりうま」ではなく「さば」と読みます。
名前の由来は、平安時代の武将・源義朝の官職名「左馬頭(さばのかみ)」からきており、縁起物としての「左馬(ひだりうま)」とは直接の関係はないといわれています。
7つある左馬神社の中でも代表的なのが、宝暦14年(1764年)に地元の名主が創建したと伝わる上和田の左馬神社です。
当初は「鯖大明神」「左馬大明神」と呼ばれ、明治42年に「左馬神社」と改称されました。
無病息災・病気平癒・五穀豊穣・家内安全を願う参拝が今も続いています。
開店祝いや結婚祝いの贈り物としても人気
左馬は、新しいお店の開業や新居への引っ越し、結婚といった節目に、「うまくいきますように」「幸せが舞い込みますように」という願いを込めた贈り物としても人気です。
置物や掛け軸、絵画、ストラップ、アクセサリーなど種類が豊富なので、相手の好みや暮らしに合わせて選ぶことができます。
なかでも山形県天童市の職人が手がける左馬の将棋駒は、伝統工芸品としての価値が高く、「縁起の良い贈り物」として長く親しまれています。
競馬ファンや日常のゲン担ぎ
競馬好きの人にとって、左馬はなじみ深い縁起物です。
「馬が人を引く」「うまくいく」という意味が、馬券の当たりやレースの安全と重なり、お守りやストラップを持って競馬場に行くなど、競馬ファンの間では定番のゲン担ぎとして知られています。
また、左馬は金運を招く象徴でもあるので、競馬だけでなく宝くじやパチンコなど、運を試す遊びが好きな人からも「お金を呼び、逃さない」と信じられ、身近なゲン担ぎになっています。
左馬を暮らしに取り入れて運気アップ!

左馬を暮らしに取り入れることで運気アップが期待できます。
飾る、持つ、使うなどシーンに合わせて取り入れることで、毎日の生活に自然と福を招き入れられるでしょう。
ここからは、手軽に始められる、左馬を用いた開運方法をご紹介します。
家や玄関に飾って福を呼び込む
左馬を自宅やお店に取り入れるなら、家の玄関やお店の入口がおすすめです。
玄関や入口は人や運気を迎え入れる場所とされ、ここに飾ることで良い流れを呼び込むと信じられてきました。
また、家族や自分が日常的に目にする場所に左馬のアイテムを飾るのもおすすめ。
リビングの壁や書斎のデスクのそばなど、ふと目に入る場所にあると「今日もうまくいく!」という気持ちを自然に持ち続けられるでしょう。
財布や身の回りの小物に取り入れて金運アップ
財布や通帳ケース、名刺入れなど、お金や縁に関わる持ち物に左馬をあしらった小物は、今も人気があります。
革財布に漆で描かれたものや、布小物に刺繍されたものなど、普段使いできる実用品として親しまれています。
特に純金で出来た「左馬の種銭」は、金運を強力にアップさせる人気の縁起物です。
将棋の駒に見立てた五角形の形をしており、表には「左馬」、裏面は「金」の字を刻み、丶(てん)の部分には跳ね馬が飛び込む様子が表されています。
財布に忍ばせておく縁起物として使われています。
馬は古くから飛躍や立身出世の象徴とされ、その中でも跳ね馬は勢いよく駆ける姿から「願いが早く叶う」「他より一歩抜きん出る」といった意味が重ねられています。
五角形は五行やご縁、勝利を示す形とされ、円満や成功を招く図形としても知られています。
そして裏面の「金」は将棋の駒に由来します。
桂馬などの駒は敵陣に入ると「成って金」となり、金将と同じ強い力を得ます。
このように駒が一段上強くなることから「転じて富を得る」「成長して豊かさを手にする」「努力が報われ飛躍する」など、持つ人が財運をつかみ、さらなる飛躍を遂げるという意味が込められています。
ストラップやアクセサリーで身近なお守りにする
スマホやバッグに付ける左馬のストラップや、左馬をモチーフにしたピンバッジやブローチ、ネクタイピンなどのアクセサリーは、さりげなく身につけることができるので、ビジネスシーンでも活用できます。
大事な商談や面接の前には、左馬のストラップを握りしめて「うまくいく」と念じて心を落ち着けるのもおすすめですよ。
2026年は左馬で運気を上げよう

左馬(ひだりうま)は、左右を反転させた「馬」の字に福や金運、商売繁盛の願いを込めた縁起物です。
江戸時代には商人や職人の間で広まり、将棋駒や陶器などの工芸品にも取り入れられました。
「福を呼ぶ」「財を守る」など、いくつもの解釈が重なったことで、縁起物としての価値がさらに高まり、多くの人に大切にされてきました。
現在でも神社のお守りや贈り物、ストラップや財布に忍ばせる種銭など、さまざまな形で福を招く縁起物として受け継がれています。
左馬は、日々の暮らしに取り入れることで、金運や商売繁盛を願う心の支えとなり、前向きに歩む力を与えてくれるでしょう。